当記事では水溶液について、中学1年生で学ぶ範囲を解説します。
- 物質の溶け方を理解しよう。
- 水溶液とはどんなものか理解しよう。
- 質量パーセント濃度の計算ができるようになろう。
もくじ
物質の種類【純粋な物質と混合物】
まず、私たちの身の回りにある「物=物質」はすべて純粋な物質と混合物の2種類に分けることができます。それぞれの意味は以下のとおりです。
純粋な物質…1種類の物質からできている物質
混合物…2種類以上の物質からできている物質
お茶や砂糖水は水にお茶のエキスや砂糖が溶けることでできていますが、物質はどのように水に溶けるのでしょうか?
もの(物質)はどんなふうに溶ける?
たとえば角砂糖を水に溶かした場合を考えてみましょう。
角砂糖を水の中に入れると、入れた直後は変化がありませんが、時間がたつにつれて砂糖のかたまりは崩れて見えなくなり、だんだんと消えていきます。
これは決して砂糖が消えてなくなったわけではなく、砂糖が崩れて目に見えないほど小さな粒子に形を変えただけです。
下の図1に砂糖が溶けるまでのイメージをまとめてみましょう。
砂糖を入れた直後(図1-①)は砂糖の粒子はきれいに均一に並んだ状態です。そこに砂糖の粒子より小さな水の粒子が入り込みます(図1-②)。すると均一にならんでいた砂糖の粒子がバラバラになり、時間がたつにつれて水の粒子の中に均一にとけます(図1-③④)。
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図1:砂糖の溶け方
上の図では砂糖を例に物質が溶ける流れを説明しましたが、塩水やお茶も同じ原理で物質が水に溶けています。
また、二酸化炭素のような気体が水に溶ける場合もあります。実は私たちが日常的に飲んでいる炭酸水は、二酸化炭素が溶けたものです。
水溶液とはどんなもの?【溶液・溶質・溶媒】
物質が溶けるまでの流れを学習しましたが、それではこの記事のメインテーマである水溶液とはどのようなものなのでしょうか?水溶液とは以下のようなものを指します。
溶解
物体が液体に溶けることを溶解と言います。物質が溶解すると液体に溶けた物質は目に見えなくなり、どの部分も濃さが均一で透明な液になります。溶解には「溶液・溶質・溶媒」の3つの物質が関わり、それぞれ以下のような意味があります。
溶液…物質が溶けた液体。
溶質…溶液に溶けている物質。
溶媒…溶質を溶かしている液体。
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図2:溶液・溶質・溶媒
①溶液
溶液とは物質が溶けた液体のことです。砂糖水は水に砂糖が溶けたものなので溶液です。また溶けた物質と溶かす物質の最低でも2種類の物質でできている液体なので、混合物もあります。
②溶質
溶質とは溶液に溶けている物質のことです。砂糖水の場合は砂糖が溶質にあたります。溶質は砂糖のような個体とは限らず、アンモニアや二酸化炭素のような気体や、エタノールのような液体の場合もあります。
③溶媒
溶媒とは溶質を溶かしている液体のことです。特に溶媒が水の物質を水溶液と呼びます。砂糖水の場合は水が溶媒ということになります。
水溶液の濃さの表し方【質量パーセント濃度】
水溶液の濃さの表し方の一つに質量パーセント濃度があります。質量パーセント濃度は、溶液の質量が溶液の質量の何パーセント(記号%)になるかで表されます。
![](https://juken-rika.com/wp-content/uploads/2023/09/sp.png)
たとえば水80gに砂糖20gを溶かしてできた砂糖水の質量パーセント濃度は$$\frac{20g}{20g+80g}\times{100}=20(%)$$で表されます。
まとめ
水溶液と質量パーセント濃度は中学から高校にかけての理科で常に関わってくる考え方です。ぜひこの記事を何度も読んで内容をおぼえることをお勧めします。
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